メチレンブルーの副作用ってないの?
火曜日, 8月 23, 2016
最近、インターネット大手メディア『Wired』で取り上げられ、注目を浴びているメチレンブルーですが、安全性に全く触れていません。
Wiredで取り上げられた記事をまとめると、
健常者を対象にして、記憶力が1日で上がった!!脳のスキャンを見ても活性化してるぜ!!
最強のスマドラ誕生か!?そして、ネット上では、アマゾンで買えることもあり相次いで”試す”人が続出・・・
安全性ってどうなの?
米国食品医薬品局(FDA)では、「セロトニン作動系の薬」との併用で深刻な中枢神経反応がある可能性(Serious CNS reactions possible)の警告を出しています。この警告によると、「methylene blue inhibits the action of monoamine oxidase A」と表記されています。
この意味は、メチレンブルーは、モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)ということなんです。そして、専門家や患者も、このことを知らないと思うから注意して下さいとのことです。
2007年度の動物における調査では、メチレンブルーを”効果的な”MAOIとしています[1]。
相互作用により命に関わる可能性も
PubMedで「メチレンブルー 毒性」で検索すると、山のように怖い論文が出てきます。
2014年度の論文では、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるベンラファキシンとの併用で、死亡例を報告しています[2]。
MAOIはモノアミン伝達物質の分解を阻害するため、セロトニンが蓄積されていきます。そこでセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などと併用すると、脳内セロトニン濃度が過剰になり、致死に至る可能性があるセロトニン症候群を発症します。
とういうことで、三環系抗うつ薬、MAOI、SSRI、SNRIなどの薬(ほとんどの抗うつ薬・・・)と併用で、用量次第ですが、結構危険なので注意です。
