アーモンドで脳内アセチルコリン濃度が上昇?
土曜日, 10月 29, 2016
パキスタンで発表された最新論文によると、継続的なアーモンドの摂取により認知症ラットの記憶力向上と、海馬・前頭葉においてアセチルコリン濃度の上昇がみられました[1]。
アーモンドでアセチルコリン濃度の上昇
実験に用いたラットは、若い健常ラットですが、抗コリン作用のあるスコポラミンを記憶力測定の前に投与しています。アーモンドは市販されているものを使い、4週間、400mg/kg/日を与えました。アーモンド群は、海馬・前頭葉のアセチルコリン値が上昇し、記憶・学習力測定で向上をみせています。
400mg/kg/日はヒトに換算すると、60kgで2g程度のアーモンドになります。アーモンドにより、ラットの認知機能向上は、2010年度にも同様の結果がでていて新発見ではないですが[2]、アセチルコリンとアセチルコリンエステラーゼの活動について詳しく調べ、認知機能との関連性を示した価値のある調査です。
2010年の調査では、ピラセタム(PIR)とアーモンド(PA)を比較をしています。どちらも、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの濃度が低くなり、600mgのアーモンドと200mgのピラセタムで同数値なっています。アーモンドにはコリンがあまり含まれていないため、アセチルコリンの分解を阻害することで、アセチルコリンの濃度を上げるとされています。
そのため、アルツハイマー病なんかに良いかもね!ってことですね。現段階では、動物実験だけなので、今後のヒトを対象とした調査が気になるところです。
ネットでは胡散臭いとも
アーモンドはパキスタンの主要輸出品で、研究では農務省の関係者も加わっています。2012年の調査も同じ大学によって行われています。宣伝目的も絡んでいるかもしれません(このブログのように)。
2012年度の調査では、アーモンドの長期的摂取により、食欲減退とヌートロピック効果がラットにみられています[3]。
栄養素豊富なので同然の結果ですが、アーモンドは安全に海馬・前頭葉のアセチルコリン濃度を上げるのに適しているようです。
現状、アセチルコリン濃度を上げることで有名なピラセタムやヌーペプトも、驚異的に体感できるほどではないから、ぶっちゃけアーモンドで十分じゃないでしょうか。
- Repeated administration of almonds increases brain acetylcholine levels and enhances memory function in healthy rats while attenuates memory deficits in animal model of amnesia
- Efficacy study of Prunus amygdalus (almond) nuts in scopolamine-induced amnesia in rats.
- Nootropic and hypophagic effects following long term intake of almonds (Prunus amygdalus) in rats.
